英会話のための英文法!冠詞「The」の持つイメージと使い方!
英語の文章で名詞の前に置かれている「The」や「a」などの冠詞!
冠詞は日本語には通常存在しないので、
その意識や使い方を掴むのが難しいですよね?
学校の授業などでは「The=その」などと習いましたが、
実はそんな風に単純な日本語訳で覚えてはダメです。
今回はそんな冠詞の中から「The」のイメージについてお伝えします。
冠詞「The」のイメージを掴もう!
冠詞「The」の持つイメージは「名詞を明確にする意識」になります!
これだけ聞いてもイマイチつかめないと思いますが、
冠詞の「The」が名詞に付くと「他のどれでもないそれに定まる」
つまり、冠詞の「The」を名詞の前に付ける時は、
話し手はもちろんですが、聞き手も「その名詞が指すものが何なのか?」が、
イメージできるということになります。
せっかくなので、まずは典型的な「The」の使い方を見てみましょう。
・I bought a cat yesterday. The cat is so cute.
・昨日、猫を飼ったんだ、その猫がめちゃ可愛いいんだよ
・I saw a cat. The cat had a mouse in his mouth.
・猫を見たんだけど、その猫はねずみを咥えていたよ
これらの文を見ると分かると思いますが、
最初の文で、初登場となる「猫」が登場しています。
最初に猫が登場したことで、話題の中心が明確になったので、
次の文からは「The」を使えば「その猫」を認識ができ、
話し手も聞き手も共通の認識の「猫」をイメージできるという訳です。
この辺の感覚は日本語でも同じなので、簡単ですよね♪
冠詞「The」が名詞に与える「一つに決める意識」
先ほどの例文のように文脈の中で一つに決める時には「The」を使いますが、
この他にも「The」が使われることがよくあります。
例えば、以下の文↓
・Look at the car! It’s so cool!
・あの車見て!めちゃイケてる!
この文は文脈はないですが、状況から「一つのモノ」だと分かります。
また、以下の文↓
・Which way is the station?
・駅はどっち?
この文では「駅はどっち?」と聞いてますが、
大抵こういう尋ね方の場合は「近場の駅を指すので一つのモノ」です。
ただし、聞き手にとって「The station」が一つに定まらない場合は、
多分、こう聞き返されると思います。
・Which one? A station or B station?
・どっち?A駅とB駅?
ここから考えても「The」は「一つのものに定める」というのが分かります。
更に以下の文では「太陽」や「東」は、元々一つしかないですよね?
・The sun rises from the east.
・太陽は東から昇る
だから、「太陽」や「東」などには「The」が付くというわけなんです。
冠詞「The」が与える特別感
ここまで説明すると「The」が日本語訳「その」ではないことが分かると思います。
冠詞「The」のイメージは「名詞を一つのものに定める意識」で、
学校で習った「The=その」は「Theのイメージ」の一つの例に過ぎません。
それがよく分かる使われ方の一つに「The」が与える特別感があります。
例えば、以下の文をご覧下さい↓
・Tom is the man for the job.
・トムはその仕事の適任者だ(トムこそが適任者だ)
・Tom is a man for the job.
・トムはその仕事の適任者だ(トムは適任者の一人)
・This is the pen I bought yesterday.
・これは私が昨日買ったペンだ(これこそが昨日買ったペンだ)
・This is a pen I bought yesterday.
・これは私が昨日買ったペンだ(昨日買ったペンの一つ)
この2つを比べて見ても「”The”の特別感」がビシバシ伝わってきますよね?
それほど「The」には、修飾される名詞を強く一つに定める意識があります。
そう考えると英語で最上級を表すときに「The」を付ける理由も分かります。
なぜなら最上級ということは「一つ」しかないわけですから。。。
この辺は以前にバイリンガールさんが動画であげていたので見てみてください♪
【バイリンガール英会話】
この動画のテーマは「ザ」と「ジ」の発音の使い分けでしたが、
冠詞「The」の持つ「特別感」にも、結構深く触れていますよね(^^)
感覚的に「The」の持つイメージや意識が掴める良い動画だな。。。って思います。
一つに定める「The」以外の使い方
こんな風にお話しすると「The」は一つに定める時以外は使えないの?
。。。って思ってしまいますが、そんなことはありません!!
実は「The」にも例外があります。
それが「想像の”The”」です。
どういうことか分からないと思いますので、例文を使ってお話しますね。
以下の例文を見てください↓
・I want to live in a house on the beach.
・ビーチにある家に住みたい
・I think you should see the doctor.
・君は医者に見てもらうべきだよ
これらの文は「ビーチ」も「医者」も「一つに定めた名詞」ではありません!
ですが「The」が使われています。
その理由は「そう言われた時に想像できる」からです。
例文を参考にすると、あなたが友人に「そのビーチにある家」と言われたら、
あなたの中で、どこか一つ「ビーチ」が浮かんできますよね?
風邪をひいていて「その医者に見てもらうべきだよ」と言われたら、
あなたの中で、誰か一人「お医者さんのイメージ」が浮かんでくると思います。
もちろん先ほどの例文を以下のように言う事もできます↓
・I want to live in a house on the beach.
・ビーチにある家に住みたい(心当たりのある理想のビーチが思い浮かぶ)
・I want to live in a house on a beach.
・ビーチにある家に住みたい(なんとなくビーチが思い浮かぶ)
冠詞の「The」ではなく「a」でもOKですが、
私達日本人から見ても「The」の方がイメージがはっきりと沸いてきませんか?
だから「The」の方が相応しいというわけなんですね。
こんな風にイメージが湧き出てくるもの「想像できる”The”」であれば、
特定の”それ”と定める必要がないのが「”The”の持つ一つに定める意識」です。
冠詞「The」の有る無しで意味が変わるケース
また、冠詞の有る無しで「名詞」の意味が変わるケースもあります。
例えば、以下の例を比べてみましょう。
・He is looking for the work.
・彼はその作品を探しています(作品という物理的なもの)
・He is looking for work.
・彼は仕事を探しています(仕事という非物理的なもの)
このように「The」が付くと「物理的なもの」になりますが、
逆に「The」が付かないと「非物理的な出来事」になる事がもあります。
他にも、例えば「海に行く」という場合も
・We went to the sea.
・海に行きました(海水浴やレジャーなどの遊びで海へ行った)
・We went to sea.
・海に行きました(航海に出た、船乗りや海賊wになった)
冠詞「The」のイメージから考えると分かりますが、
特定のビーチへ遊びに行くのか、どこまでも広がる大海原へ繰り出すのか、
冠詞の一つで感じ方が全く異なる気がしますよね?
因みに「work」と「sea」の文の共通の感覚は、
冠詞「The」がある名詞は「物」や「場所」が意識されるのに対して、
冠詞「The」がない名詞は「出来事」に意識が向く感覚になります。
これもやはり「The」の一つに定める特別感が表れた結果なんですね。
そんな、冠詞「The」の一番わかりやすい表現が「ホワイトハウス」です。
・He lives in the White house.
・彼はホワイトハウスに住んでいます(大統領邸=おそらく彼は大統領)
・He lives in a white house.
・彼は白い家に住んでいます(一般的な白い家=彼は一般人)
冠詞「The」が与えるイメージは「一つに定める特別感」ですので、
特別な白い家なら「ホワイトハウス」が思いつきますし、
何より「The」が付くと迫も出るので、ホワイトハウスにはピッタリです。
また、そこに住む人も想像できますね♪
今回のお話はちょっとマニアックすぎて難しかったでしょうか?(^^;)
この冠詞に関わるイメージというか意識は言葉や論理的に考えると、
なかなか私達日本人には理解しがたいんですよね。。。
もちろん私も使い方を間違える事は多々ありますし、
ぶっちゃけネイティブでも個人個人で使い分けが微妙に違う気がします。
テストや試験などでは曖昧さは厳禁ですが、英会話では多少のミスはOKです。
上の動画でバイリンガールさんもお話していましたが、
自分にとって、しっくり来る意識で使い分けていけば良いのではないでしょうか?
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※要望が多かったため作りました!良かったら参考にして下さい(^^)
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タグ:限定詞・代名詞
すいません
単刀直入に質問します 初歩的な質問ですが回答よろしくお願いします。
普通の複数形(限定詞なし)とanyを使うときの否定文、疑問文のニュアンスの違いはなんでしょうか?
スポーツ、兄弟、姉妹がいるかを聞くときに限定詞なしの複数形を使わないのはなぜでしょうか?
>英語初心者さん
コメントありがとうございます。
>普通の複数形(限定詞なし)とanyを使うときの否定文、
>疑問文のニュアンスの違いはなんでしょうか?
どういう文章を比べているのかがイマイチわからないのですが、
限定詞「any」の疑問文のニュアンスは「答えがわからない時」です。
・Do you have some money?
・いくらかお金を持っているだろう? ← 持っていると知ってる
・Do you have any money?
・いくらかお金はありますか? ← 持っているかどうかもわからない
・Do you have some plans for the weekend?
・週末は予定があるよね? ← 予定があるのは知っている
・Do you have any plans for the weekend?
・週末は予定ありますか? ← 予定があるかどうかも知らない
あとは、限定詞「any」の否定文のニュアンスは「完全否定」になります。
・She does’t like some Chinese food.
・彼女はいくつかの中華料理が好きじゃない ← 餃子は嫌いだけど他は平気かも
・She does’t like any Chinese food.
・彼女はどの中華料理も好きじゃない ← 餃子もラーメンも中華は全部嫌い
>スポーツ、兄弟、姉妹がいるかを聞くときに
>限定詞なしの複数形を使わないのはなぜでしょうか?
これは、限定詞を付けて聞く時もある気がします。